2021年本書刊行後の主要な才能教育・2E教育の更新情報およびコメント

2021年7月
文部科学省の才能教育に関する有識者会議が開催(Cf. 7章1、8章1)

「特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議」が設置、開催された。 この有識者会議での議論の情報・コメントは、「文科省有識者会議」のページで今後お伝えしていく。


2021年6月
教育再生実行会議で、大学飛び入学者への高校卒業資格付与を提言(Cf. 7章1、2)

「教育再生会議第12次提言」(2021.06)で、飛び入学した学生が大学で一定の単位を修得すれば、高卒者と同等以上の学力を認定して、高卒資格を付与する制度を創設することが提言された。 詳細の詰めは今後になろうが、在籍していた高校は中退のままなら、生徒も高校側も飛び入学を好まない要因は解消できないだろう。

また、学びの多様化として、履修主義を基盤としながら修得主義を取り入れた、大学教育の「先取り履修」の推進も提言された。 部分早修が他大学入学でも認められる構想がどう具体化されるか、今後が注目される。


2021年7月
科学技術人材育成およびSSHに関する計画・会議が展開(Cf. 7章4)

内閣府の「総合科学技術・イノベーション会議」(CSTI)および文科省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)有識者会議で、STEM人材育成の充実の方針が強く打ち出された。

「第6期科学技術・イノベーション基本計画」 ( 2021.03)が閣議決定された。「突出した意欲・能力、出る杭を伸ばす」ために、学校外での学びの機会や国際科学コンテストの支援などの充実が計画された。
CSTI有識者議員懇談会(2021.04)で、「特定分野に特異な才能のある」を「特定分野で異能がある」と注釈なしに言い換え(異能を育てる、とも)、「ギフテッド」(定義なし)の子どもの教育環境について検討すべきとの意見が出された。
○CSTI有識者議員懇談会(2021.6)での文科省提出資料「理数教育の充実に向けて」では、科学技術人材育成支援で推進する取り組み(SSH、ジュニアドクター育成塾等)を通じて、「トップ人材育成」と「裾野の拡大」(興味関心の拡大)の連携が構想された。
「SSH支援事業の今後の方向性等に関する有識者会議 第二次報告書」 (2021.07)では、基本計画を受けて、SSHの今後のV期では、卓越した研究開発を通じて、科学技術人材育成システム改革を先導しようとする。SSHの「認定枠(仮)」制度を、指定校としての認知度・ブランドを活用して、2022年度以降に運用する方針は維持された。

以上のように、才能を異能と同一視する根強い傾向は変わらず、「特異な才能すなわち突出した異能」をもつ科学技術のトップ人材育成の充実が目指される。そのために裾野を広げても、指定校は全体の少数(目標5%)で、社会的・学校間格差等、多くの才能児の学習・社会情緒的ニーズに公正に応じるべき才能教育の観点からは問題は残る。