2E教育とは

「2E」って何でしょうか?

発達障害と優れた才能を併せもち、学校で二重に特別な教育ニーズのある子どもを、「2E(トゥーイー)の」(twice-exceptional:二重に特別な/二重の特別支援を要する)子どもと呼びます。そして発達障害のある子どもの才能を識別し、伸ばして活かそうとする教育を「2E(二重の特別支援)教育」と言います。

発達障害のある子どもは、特定の能力・技能について苦手がある一方、何か他の得意な能力をもつことがあります。例えば、文字の読み書きは困難でも、とても優れた視覚認知力をもつなどです。私たちには誰でも得意や苦手があり、その程度が大きくなると、才能または障害として表れます。発達の凸凹(得意と苦手のギャップ)は誰にもありますが(つまり発達の凸凹=発達障害ではない)、凸凹の両方が大きく、発達障害と優れた才能を併せもつ子どもが、2Eとみなされます。2E児には(大人の2E者も)、障害と才能両方の問題への対処が必要になります。

「ギフテッド」とどう違うのでしょうか?

最近、発達障害児・者には優れた才能が伴うことが少なからずあるという事実が、わが国でも認識され始めました。巷でASD等、発達障害の人たちが「ギフテッド」や「ギフティッド」と呼ばれる場合さえあります。しかし、その元の英語は、「才能のある(者)」という意味で障害の意味は含まれず、2E児・者の才能面しか表しません(〈2E教育を学ぶ〉のページ参照)。才能教育(日本では公式に存在しない)で「才能のある生徒」とは、特別プログラムの対象者を指します(生徒全体の1、2割のこともあり、決してわずかな少数者、ましてや天才ではありません)。「うちの子はギフテッドのようだけど..」という表現は、2Eの意味で誤用しているのか、障害面はさておき才能面だけに言及しているのか曖昧です。混乱が生じる恐れのある文脈では、ギフテッドという表現は避けるほうがいいでしょう。

2Eの診断は受けられるのでしょうか?

「ギフテッドの診断を受けたいのだが..」という要望は、2Eの意味で誤用していることが多いのですが、発達障害の診断に加えて「才能の診断」も受けられるのか、という問題になります。端的に言えば、日本ではLDやADHD、ASDの発達障害には医学的診断基準がありますが、才能については公式の定義も識別する基準もありません。公式の才能教育が存在しないからです。知能検査を利用して、例えば「IQ130以上を高知能とする」などと決めるのも恣意的な判断です。ただし、WISC-IV等の知能検査では、発達の凸凹をある程度細かく捉えられるので、どの面で障害(苦手)と才能(得意)があるのかを知る手がかりになります。
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(©松村暢隆,2015)

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